中古車相場の推移と円安・輸出・新車供給の影響を示すイメージ|中古車 相場 推移

中古車相場の推移【2026年】円安・輸出・新車供給の影響を解説

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「去年、同じ車種の相場を調べたときと、今回調べた数字がなんだか違う」——中古車の相場をチェックしていて、そんな違和感を覚えたことはありませんか。中古車の買取相場は一定ではなく、円安による輸出需要、新車の供給状況、季節要因といった複数の力が同時に働いて、年ごと・月ごとに動いています。この記事では、直近の推移を実際に公表されているデータで振り返りながら、相場を動かしている3つの要因と、今後の動きを読むときに見ておきたいポイントを整理しました。

中古車相場は今どう動いているか|直近データで見る全体像

まず直近の数字を見てみましょう。中古車販売会社向けの市場レポートを発行する株式会社くるまえらびによると、2026年5月の中古車オークション成約単価は131万円で、前年同月比+10.6%と年初来の高値を更新しました。一方で、同じ時期のオークション出品台数は28万1,669台(前年比97.0%)と、6カ月ぶりに前年を下回っています。

ここで注目したいのは「出品が減っているのに、単価は上がっている」という組み合わせです。本来、市場に出回る中古車の台数が減れば需要側は困りそうなものですが、実際には買い手の勢いのほうが強く、需給が引き締まった状態が続いているというのが今の姿です。この背景には、これから説明する円安・輸出需要と、新車供給の回復が絡み合った、少しねじれた事情があります。

ポイント

「新車がたくさん売れている=中古車の下取りが増えて相場は下がるはず」という単純な図式は、今の中古車市場では成立しにくくなっています。理由は輸出という”もう一つの買い手”が、国内の中古車を集中的に吸い上げているためです。

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過去の推移で振り返る|半導体不足の高騰から今にいたる流れ

今の高値圏は、ある日突然できたものではありません。2021〜2022年ごろの半導体不足で新車の生産・納車が大きく遅れ、新車を待てない人が中古車に流れたことで、中古車相場はかつてない水準まで押し上げられました。その後、半導体不足が徐々に緩和されて新車の供給は持ち直していったものの、相場は思ったほど下がらず、高値圏を維持したまま現在に至っています。

直近1年ほどの動きを、USSの公表するオークション成約単価をもとにした集計値(株式会社リプロワールドまとめ)で見てみると、月によって波はありつつも、年間を通じて高値圏を維持していることが分かります。

時期 オークション成約単価の目安 ひとことメモ
2025年1月 約125.0万円 年始から高値圏でスタート
2025年4月 約106.5万円 年度替わり明けで一時的に軟化
2025年8月 約122.4万円 夏場に再び上昇
2025年12月 約125.2万円 年末は高値圏を維持
2026年5月 約131.0万円 前年同月比+10.6%、年初来高値

4月に一度軟化する動きは例年見られる季節的な波で、目新しいものではありません。注目すべきは、その後の戻り方です。2025年12月時点ですでに年始と同水準まで戻り、2026年5月にはそれをさらに上回る水準まで上がっています。「一時的に下がっても、結局は高値圏に戻ってくる」というのが、ここ1年ほどの中古車相場の実際の動き方です。

相場を動かす要因①円安と海外の輸出需要

相場が高値圏から下りてこない最大の要因が、円安を背景にした海外への輸出需要です。株式会社ファブリカホールディングスが発表した「中古車買取相場推移レポート(2026年1月版)」によると、2025年末にかけて為替は1ドル158円台に近づく円安水準となり、これに伴って海外の新興国・発展途上国からの中古車需要が一段と強まったと報告されています。円安が進むほど、海外のバイヤーからすれば日本の中古車は割安に見えるため、買い付けが積極的になりやすいというわけです。

実際の輸出台数を見ても、この流れは裏付けられます。日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)が2026年1月末に発表した2025年の年間実績によると、中古車の輸出台数は170万8,604台で前年比9.1%増、3年連続で過去最多を更新しました。仕向け先としてはアラブ首長国連邦(UAE)が最大で、中東・アフリカ各国へ中古車を再流通させる”ハブ”の役割を果たしているとされます。また、タンザニアが輸出先ランキングで3位に入るなど、アフリカ・アジアの新興国市場の動きが活発化しているのも近年の特徴です。低価格帯のホンダ車や軽自動車の輸出が伸びているのも、アフリカ市場への再輸出を見越した動きだと指摘されています。

輸出業者が積極的に買い付けるのは、主に3〜5年落ちの実用的な車両です。国内の買取店・オークション会場でこの層の車が競り合いになりやすく、結果として国内の一般的な買取相場も釣られて上がりやすくなる、という流れができています。

相場を動かす要因②新車供給の回復と「なのに下がらない」ねじれ

もう一つの要因が、新車の供給状況です。半導体不足が和らいだことで新車生産は正常化に向かっており、株式会社くるまえらびの市場レポートによると、2026年5月の新車販売台数は33万2,997台(前年同月比+2.8%)で2カ月連続のプラス。内訳では登録車(普通車)が21万4,994台(同+5.6%)と伸びた一方、軽自動車は11万8,003台(同-2.1%)で2カ月連続の減少となっています。トヨタは約11万2千台(同+12.6%)と突出しており、ノア・ヴォクシーの受注制限撤廃が販売を押し上げたと報じられています。

教科書的に考えれば、新車が順調に売れるほど下取り車として質の良い中古車が市場に流れ、供給増で相場は下がりやすくなるはずです。ところが先に見たとおり、2026年5月のオークション出品台数はむしろ前年を下回っています。これは、2021〜2022年の半導体不足で新車の登録台数そのものが落ち込んでいた”世代”の車が、ちょうど今、3〜5年落ちの中古車として市場に出てくる時期にあたるためです。つまり、輸出需要が旺盛な年式の車ほど、そもそも母数(新車登録された台数)が少なく、供給が構造的に細くなっているというねじれが起きています。

  • 新車供給は回復基調にあり、下取り車の”量”自体は増えつつある
  • ただし2021〜2022年式の登録台数が少ないため、その世代の中古車在庫は薄い
  • 薄い在庫層を輸出需要と国内需要が同時に奪い合っている
  • 結果として出品減・単価増という組み合わせが起きやすい

この構造がいつまで続くかは、今後の新車販売の回復ペースと為替次第で変わってきます。新車供給の回復が続けば、数年後には下取り車の”厚み”が戻り、相場の重しになっていく可能性はあります。ただし短期的には、輸出需要という下支えのほうが強く効いているのが現状です。

相場を動かす要因③季節・年式・走行距離という個別の変動

ここまではマクロな要因でしたが、自分の車が実際にいくらになるかは、もっと身近な要因のほうが大きく影響します。年式が新しいほど、走行距離が少ないほど評価が上がりやすいのはもちろん、決算期にあたる1〜3月・9月は買取店の仕入れ意欲が強まりやすい時期です。季節ごとの相場の波と、季節よりも優先すべき”今すぐ売るべきサイン”については、車を売るタイミングと高く売れる時期の判断基準をまとめた記事で詳しく解説しています。

車種ごとの相場水準そのものも、当然ながら大きく違います。人気車種の年式・走行距離別のレンジは車買取相場表(人気車種・年式・走行距離別の売値目安)で確認できるので、マクロの動きとあわせて、自分の車種がどのあたりに位置するかも見ておくと判断がしやすくなります。

Q
結局、今は「売り時」なんですか?それとも、もう少し待ったほうがいいんでしょうか。

正直に言うと、為替や輸出動向の先行きを断定できる人はいません。ただし材料をそろえて考えることはできます。輸出需要と、薄い在庫層による下支えという構造は当面続きやすいと見る業界レポートが多く、急落を見込む声は目立ちません。逆に、円安が反転して円高方向に振れれば、輸出需要は落ち着き、相場も緩みやすくなります。「絶対に今がピーク」とも「まだまだ上がる」とも言い切れないからこそ、次の章で紹介するチェックポイントを自分で追いかけておく価値があります。

これからの相場を読むときに見ておきたい3つのチェックポイント

相場の先行きをすべて言い当てることはできませんが、動きの”兆し”をつかむための材料は公開されています。ニュースやSNSの断片的な情報より、次の3つを定点観測するほうが確実です。

確認

1. 為替レート(円安・円高の動き)。円安が進めば輸出需要が強まりやすく、円高方向に振れれば輸出需要は落ち着きやすくなります。2. 日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)などが公表する輸出統計。輸出台数が伸びているうちは、国内相場も下支えされやすい状態が続きます。3. USSなどオークション運営会社が公表する出品台数・成約単価。出品台数の増減は、数カ月先の相場の先行指標になりやすい数字です。

これらはいずれも専門家でなくても確認できる公開情報です。すべてを毎月チェックする必要はありませんが、「そろそろ売ろうかな」と考え始めたタイミングで一度目を通しておくと、提示された査定額が今の相場観に対して妥当かどうか、自分なりに判断しやすくなります。

中古車相場の推移に関するよくある質問

中古車相場は今後下がっていきますか?
急落を見込む業界レポートは今のところ多くありません。新車供給の回復は下落方向に働く要因ですが、円安による輸出需要と、半導体不足の影響で薄くなっている3〜5年落ち車両の在庫という構造要因が下支えしているためです。ただし為替や国際情勢に左右される部分が大きく、確実な予測はできないため、あくまで「傾向」として捉えてください。
円安が進むと中古車はもっと高くなりますか?
一般的には、円安が進むほど海外バイヤーにとって日本の中古車が割安に見え、輸出需要が強まりやすくなります。輸出需要が強まると国内の流通台数が減り、相場を押し上げる方向に働きやすいというのがこれまでの傾向です。ただし為替の先行きは誰にも断定できないため、確実にそうなるとは言い切れません。
相場が高いうちに売ったほうがいいですか?
マクロな相場動向より、自分の車の年式・走行距離・車検残りといった個別事情のほうが査定額への影響は大きいのが実際のところです。売り時の優先順位は車を売るタイミングをまとめた記事で整理しているので、あわせて確認したうえで、複数社に査定を依頼して今の提示額を比べてみるのが確実です。
中古車価格の推移データはどこで確認できますか?
USSなどオークション運営会社が公表する成約単価・出品台数のデータ、日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)の輸出統計のほか、ナビクルカーセンサーなど買取・査定サイトの相場ページでも車種別の目安を確認できます。複数の情報源を見比べると、より実感に近い相場観がつかめます。

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まとめ|相場は「上がるか下がるか」より「なぜ動くか」で見る

中古車相場の推移は、円安による輸出需要、新車供給の回復ペース、そして半導体不足の影響で薄くなった特定年式の在庫という、複数の要因が同時に絡み合って形づくられています。2026年5月時点でも、出品台数の減少と成約単価の上昇が同時に起きているように、単純な「需要と供給」だけでは説明しきれない、ねじれた状況が続いています。

大切なのは、相場が「上がるか下がるか」を当てにいくことではなく、なぜ今の水準になっているのかを理解しておくことです。為替・輸出統計・オークションデータという3つの指標を頭の片隅に置いておくだけで、査定額が提示されたときに「今の相場観として妥当か」を自分で判断できるようになります。個別の車種相場や売り時の判断は、あわせて紹介した記事で確認しながら、まずは今のあなたの車がいくらになるか、無料査定で確かめてみてください。

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※本文中のオークション成約単価・出品台数はUSSの公表データをもとにした株式会社リプロワールド・株式会社くるまえらびの集計値、輸出台数は日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)の発表値を参照した2026年7月時点の目安です。実際の相場は車種・状態・時期によって変動します。最新の相場はナビクルカーセンサーなど各社公式サイトでご確認ください。


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